ウラジーミルの聖母　カード　ロシア正教　イコン　ビザンティン様式 PCA2137

こちらは、「Our Lady of Vladimir（ウラジーミルの聖母）」と題された宗教画の複製を表紙にしたポストカードです。原画は12世紀に描かれたロシア正教のイコンで、ビザンティン様式を色濃く残すもっとも重要な聖母子像のひとつとして世界的に知られています。このカードは、アメリカ・ニューヨークのフォーダム大学（Fordham University）内「ロシアセンター（Russian Center）」によって制作されたもので、下部には「COPY OF XII CENTURY RUSSIAN ICON, RUSSIAN CENTER, FORDHAM UNIVERSITY, N.Y.C. 58」と明記されています。

カードの正面には、アイコン特有の金や赤、黒の色彩で構成されたマリアと幼子イエスの姿が再現されており、母と子の顔が寄せ合うように描かれた構図は「慈愛の聖母（Eleusa）」と呼ばれる形式に分類されます。母であるマリアの深い悲しみと、幼いながらも神性を湛えたキリストの表情が繊細に表現されており、信仰の深さと人間的なぬくもりが見事に融合した名作です。イコン表面のひび割れや塗料の剥がれも忠実に再現されており、古典宗教画の風格を損なうことなく視覚的に伝えています。

カードの裏面は無地で書き込みのない状態で、グリーティングや祈祷、あるいは記念として自由に使える仕様となっています。紙質は厚みがあり、印刷面もマットでしっかりとしており、保存にも適した造りです。宗教画カードとしてだけでなく、歴史的な芸術の複製品、または精神的な贈り物としても意味深い一枚です。

保存状態は極めて良好で、表面には微細な経年変化はあるものの、色褪せや折れはなく、落ち着いた光沢を保っています。聖母マリア信仰、ロシア正教会、イコン芸術に関心を持つ方にとっては、非常に価値のあるコレクションアイテムであり、精神的な静けさと美をもたらすカードです。信仰・美術・学術のいずれの観点からも意義深い一品です。