こちらは、ユーモアと風刺を込めたアメリカ製のヴィンテージ・クリスマスカードです。赤みがかった厚紙に紫と赤の2色刷りで印刷されたデザインが特徴で、カード全体から1940〜60年代頃のプリミティブかつローカル感あふれる雰囲気が漂います。 中央には、釘にぶら下げられたトウモロコシの芯（コーンコブ）のイラストが線画で描かれており、その下には以下のようなクリスマス風の詩が綴られています： Crepe or Tissue in years gone past, Were given to the Mob, But the greatest Xmas this year, Is a good old fashioned Cob. この詩は、かつてのプレゼントには「クレープ紙やティッシュ（=些細なもの）」が配られていたが、今年のクリスマスには「昔ながらのとうもろこしの芯」が最高の贈り物だ、という風刺を込めた表現になっています。社会風刺や階級的な皮肉を感じさせる一方で、どこか素朴でローカルな祝祭の空気感も感じられ、アメリカ中西部や南部などでの流通が想定されるユニークな内容です。 裏面は無地で、通常のポストカード仕様ではなく、手渡しや封書に添える「ジョークカード」的な用途で配布された可能性が高いと考えられます。印刷スタイルや紙質からも、小規模な印刷所や個人経営の雑貨店などで限定的に作られたプライベートプレス系の品とも推測されます。 奇抜で風変わりなクリスマスカードをお探しの方、ヴィンテージユーモアグッズや紙もの雑貨を愛する方にぴったりの一枚。レトロな雰囲気とちょっとした毒気のある表現が、インパクトあるアクセントとしてジャンクジャーナルやアート作品にも活躍してくれるユニークな逸品です。

こちらは1907年発行のアメリカ製ヴィンテージ・コミックポストカードで、ユーモアと皮肉が織り交ぜられた「浮気ネタ」系の絵葉書です。発行はニューヨークの「The Rosenthal Co.」で、絵柄右下にはしっかりと著作権表記と番号「216」が印刷されています。 表面には「A ROUND OF PLEASURE（ひとときの快楽）」という皮肉なタイトルが添えられ、年配の女性の膝の上に座る中年男性のカップルが描かれています。表情は幸せそうでありながら、右側には手書きで「This isn’t my wife（これは“私の妻”ではない）」という言葉が書き加えられており、当時の洒落っ気と大人向けジョークが感じられる1枚です。ユーモアポストカード特有の「ちょっと後ろめたい笑い」を誘うテーマで、アメリカの郵便文化における風刺カードの典型的スタイルといえます。 裏面には、実際に「Mrs. W. A. Gleason, Hallstead, Pa」宛に送られた使用跡があり、1セントのベンジャミン・フランクリン切手と「APRIL 11 PA.」の消印もはっきりと残っています。筆記は鉛筆とインクで併用されており、「I don’t have to look for a job. Very busy cleaning up around my house and premises…」という近況報告が記されている点も、当時の生活感がにじむ見どころの一つです。 経年によるわずかな変色や角の摩耗は見られますが、100年以上前の紙物としては良好な保存状態。アメリカン・ユーモア、1900年代初頭の印刷文化、ポストカード文学に興味のあるコレクターにぴったりの一枚です。皮肉や大人ジョークを愛する方、ヴィンテージコラージュのユーモア素材を探している方にもおすすめです。

こちらは、イギリスまたはアメリカの初期20世紀頃に制作されたと推定されるユーモア系のヴィンテージポストカードです。白地に黒一色で印刷された簡素な構図ながら、当時の風刺的な大衆娯楽文化をよく表しており、軽妙で少々下世話なジョークが特徴です。 イラストは、家庭の一室で繰り広げられるやり取りを描いたもので、登場人物は若い男・娘・その母親の3人。娘をピクニックに連れて行きたいと申し出る男性に対し、母親が「前回のピクニックの結果を見てみな！」と怒気を含んで返答するという、当時ならではの「皮肉な妊娠ネタ」が込められたブラックジョークになっています。 台詞の内容： TOM — “Mrs. Murphy, can I take Mary Ann to the picnic” MRS MURPHY — “Picnic me arse, look at Mary Ann from the last picnic!” このカードの最大の魅力は、その言葉遣いや構成にあります。「Picnic me arse」という表現はアイリッシュ・スラング的であり、労働者階級の日常会話をユーモラスに誇張したスタイルが見られます。また、印刷技法はシンプルながらも版画風のイラストが愛らしく、言葉と絵のギャップに思わず笑いを誘われる仕上がりです。 裏面には印刷・郵便表記などが一切ないため、店舗販売用のジョークカードまたは民間印刷による非公式グリーティングの可能性が高いと考えられます。 ヴィクトリア末期からエドワード朝、または戦間期のユーモア文化に興味のある方、シュールで尖った紙ものをコレクションしている方に特におすすめの一枚です。ジャンクジャーナルやコラージュのアクセントにも適しており、パンチの効いた笑いと共に、時代の空気を届けてくれる貴重なカードです。

こちらはフランス・ヴェルダン近郊にある「ドゥオーモン納骨堂（Ossuaire de Douaumont）」を写した1930年発行のアンティーク・ポストカードです。第一次世界大戦の激戦地であったヴェルダンの戦没者13万人以上を追悼するために建設された荘厳な記念施設で、絵葉書にはその背面にあたる建築と灯台塔（phare）が静かに描かれています。重厚なロマネスク様式をベースにしながらも、戦後フランスのモニュメンタリズム建築の特徴が強く表れており、広大な犠牲と記憶の象徴としての威厳をたたえています。 表面はやや退色が見られ、中央に大きな折れ線があるものの、全体的な構図と印刷はしっかりと残っており、戦間期の印刷技術と記録性が今なお感じられます。 裏面には「Chapelle Catholique（カトリック礼拝堂）」の解説がフランス語と英語で記されており、「マルシャル・ペタン元帥の言葉」も引用されている点が当時の時代背景を物語っています。実際に1930年8月13日に記された手書きメッセージが残っており、「Usigny」宛てに送られたことがわかります。戦没者追悼施設というテーマゆえ、当時も記念や追憶、精神的な意味合いを込めて送られたカードであることがうかがえます。 戦争史、記念建築、戦間期のフランス文化に関心のある方には非常に貴重な資料価値のある一枚。感傷と尊厳が込められた歴史的絵葉書として、静かな存在感を放ちます。紙ものコレクションや歴史資料の一環としてはもちろん、額装して飾っても意義ある一品です。

こちらはアメリカ空軍の輸送機「CHASE XC-123」を描いたヴィンテージ絵葉書です。機体はモノクロ写真で捉えられており、「UNITED STATES AIR FORCE」の文字と機体番号「CZ-786」「7786」が確認できる、資料性の高い一枚です。左下には「CHASE XC-123 US AIR FORCE / Cargo and Troop Transport」とあり、この機体が兵員および貨物輸送用に設計されたプロトタイプであることを示しています。 XC-123は、のちにC-123「プロバイダー」として実用化される軍用機の初期型で、第二次世界大戦後から朝鮮戦争期にかけてのアメリカ航空技術の転換期を象徴する存在です。本カードに写る機体は、テスト飛行中もしくは公開展示時に撮影されたものであり、背景にはうっすらと陸地のような地形が見える点も特徴的です。 右下には「Made in U.S.A.」および「34」の印刷ナンバーが記されており、これはミリタリー・エアクラフト・シリーズの一環として流通したものであることがわかります。裏面は無地で、メッセージや宛先欄が一切ないプレーン仕様。印刷面はややざらつきのある厚紙で、軍用機コレクターや航空ファン向けの資料として制作された可能性が高いです。 ミリタリー航空史に関心のある方や、米空軍のヴィンテージ資料を蒐集している方には特におすすめの一枚。兵器史、工業デザイン、戦後アメリカの航空文化など、多角的な視点からも楽しめる、シンプルながら価値ある絵葉書です。額装や資料展開にも適しています。

こちらはフランス・パリの歴史的ゴシック建築「サント・シャペル（La Sainte-Chapelle）」を描いたアンティーク・ポストカードです。表面には、荘厳な建築美を誇る教会の外観がモノクロで精緻に描かれており、繊細な尖塔やフライング・バットレス、バラ窓をはじめとするゴシック様式の装飾が見事に再現されています。 このカードは、フランス国内で広く発行された初期の絵葉書様式「CARTE POSTALE」形式を採用しており、裏面には「Correspondance（通信欄）」と「Adresse（宛名欄）」が分かれて印刷されたクラシックなデザイン。表面の左下には小さく「E.L.D.」の刻印があり、20世紀初頭の有名なフランスの絵葉書出版社「Éditeur Léon & Lévy」による発行であることがわかります。 エッジには折れや角の欠け、経年の変色が見られますが、これらも含めてアンティーク紙もの特有の風合いを醸し出しています。La Sainte-Chapelle は、1248年にルイ9世によって建立されたゴシック建築の傑作で、特に内部のステンドグラスの美しさで知られていますが、このカードではあえて外観の荘厳さにフォーカスされています。 建築史、宗教史、フランス文化に関心のあるコレクターにおすすめの一枚。19世紀末〜20世紀初頭のパリの記憶を今に伝える貴重な資料としても価値があります。クラシックなヨーロッパの建築美を感じられるヴィンテージポストカードとして、コレクションや紙もの素材、ジャンクジャーナルにも最適です。

こちらは、アメリカ・バージニア州マウントヴァーノンにある歴史的邸宅から発行された、ヴィンテージ絵葉書です。表面には「Room in Which Mrs. Washington Died（ワシントン夫人が亡くなった部屋）」と記載されており、初代大統領ジョージ・ワシントンの妻、マーサ・ワシントンが晩年を過ごした寝室の内部が描かれています。 4本柱のキャノピーベッドに白いレースカーテンがかけられた、繊細で優美な室内。アンティーク調のドレッサーや椅子、カーペットが丁寧に配置され、18世紀後半の上流階級の生活を今に伝える貴重な資料となっています。柔らかなパステル調の彩色が施されており、静けさと品格の漂う雰囲気がそのままカードに閉じ込められています。 裏面には「by the Mount Vernon Association」と印字があり、マウントヴァーノン管理団体によって公式に発行されたことがわかります。未使用で、状態も比較的良好。角にやや経年によるヤケや糊跡が見られるものの、紙質の厚みと印刷の鮮明さはしっかりと保たれています。 アメリカ建国期の女性史や、歴史的邸宅・室内装飾に関心のある方には特に価値ある一枚。資料的にも装飾的にも楽しめる、静かで格式あるアンティークポストカードです。コラージュ、インテリア、ジャンクジャーナルにも映える落ち着いた存在感を放ちます。

こちらはアメリカ・ウィスコンシン州のE.C. Kropp社（ミルウォーキー）によって制作された、1940年代頃のヴィンテージ・コミックポストカードです。鮮やかなカラー印刷とユーモラスなイラストが特徴で、アメリカ兵向けのレジャーグッズとして人気を博した“ピンナップ”や“兵士用グリーティング”の系譜を感じさせる一枚です。 イラストには、木陰で恋人を抱きしめる男性と、彼に寄り添う女性の姿が描かれており、背景には軍用テントらしきものが見えることから、戦時中の兵士の休暇やラブロマンスをイメージしてデザインされたことが窺えます。コメディタッチのキャラクターはデフォルメが強く、陽気でどこかレトロアメリカンな雰囲気を醸しています。 カード下部には「LOVE IS LIKE WAR – IT DEPENDS ON THE PROPER USE OF ARMS（愛とは戦争のようなもの──腕の使い方次第）」というダジャレ的キャッチコピーが添えられており、当時のジョーク文化や言葉遊びのセンスを楽しめるのも魅力です。右下には「C95」の識別番号があり、シリーズものの一部であることが分かります。 未使用の状態で、裏面には「PLACE STAMP HERE」の枠とともに「MADE IN U.S.A. BY E.C. KROPP CO., MILWAUKEE, WIS.」の刻印が残っており、戦時〜戦後初期のアメリカ絵葉書史を象徴する一枚といえます。 ミッドセンチュリーアメリカ、戦時文化、ヴィンテージコミック、ラブジョーク系ポストカードをお探しの方におすすめ。コラージュやフレーミング素材としてもユニークな存在感を放つ、遊び心あふれる一品です。

こちらは20世紀初頭のアメリカ製アンティーク・クリスマスポストカードです。光沢のある厚紙にエンボス加工が施されており、「MERRY CHRISTMAS」の金文字とともに、縁起の良い馬蹄（ホースシュー）とヒイラギの装飾が美しく印刷されています。馬蹄の中には雪の積もる村の風景が描かれ、煙突から煙の上がる家々や馬車に乗った人々が小さく描かれた、心温まる冬の情景が広がっています。 カードの左下には「1085」のナンバリングがあり、シリーズの一枚として印刷されたことがわかります。馬蹄は古くから「幸運を招く象徴」とされており、クリスマスカードとして受け取った人に幸福が訪れるよう願いが込められていたことがうかがえます。 裏面には、当時の定番レイアウトである「Correspondence」と「Address」の欄が分かれており、「Place Stamp Here」の表記には「UNITED STATES AND CANADA ONE CENT / FOREIGN TWO CENTS」とあることから、おそらく1907年〜1914年頃の“Divided Back Era（分割裏面時代）”に発行されたものと考えられます。差出人の「Alice Shivers」から「Mr. Walter Bodkin」への宛名も残っており、実際に使われた温もりが感じられます。 保存状態も良好で、表面の発色やエンボス加工の凹凸もはっきりと残っています。アンティークカードコレクターはもちろん、クリスマス雑貨やジャンクジャーナルの素材としても活躍する一枚。ノスタルジックな祝祭のムードをまとった、心を和ませてくれるヴィンテージカードです。

こちらはアメリカ・フロリダ州セントオーガスティンの歴史的建造物「Old Slave Market（旧奴隷市場）」を描いたアンティーク絵葉書です。絵柄面には、開放的な柱廊と塔屋を備えたパビリオン型の建物が描かれており、前景には杖を持つ紳士が一人佇んでいます。緑豊かな木々と青空のもと、静かな佇まいで描かれたこの建物は、19世紀のアメリカ南部における歴史の一断面を象徴するランドマークです。 カード裏面には、建物の簡潔な説明が印字されており、「The old slave market in the east end of the Plaza is an interesting landmark of antebellum days. It was used as a public market in which slaves were occasionally sold.」と記されています。これは奴隷制度が存在したアメリカ南部の歴史的背景を物語る文言であり、現在の視点から見ると痛ましくも重要な文化遺産の記録であることがわかります。 このポストカードは「W. J. Harris Co., St. Augustine, FLA」によって出版され、「C.T. American Art Colored」による彩色印刷が施されています。特徴的なアメリカン・リネン調の紙質と1セント切手仕様の記載から、発行はおそらく1930〜40年代と推定されます。保存状態も良く、角の丸みや色褪せも少なく、当時の観光用ポストカードの典型的な仕様が保たれています。 アメリカ南部の歴史資料、奴隷制度関連のドキュメント、また建築や観光史に関心のある方には特に貴重な一枚。現代では再版されることのないテーマのため、資料的価値の高いヴィンテージ品です。飾っても、ジャーナルに組み込んでも、深い思索を促す一品となるでしょう。

こちらはイギリスのヴィクトリア朝後期〜エドワード朝時代にかけて発行された、手彩色のアンティーク絵葉書です。カード表面には「BERKLANDS, MORNSEY LANE」と記されており、英国の閑静な住宅街に佇む邸宅の様子が美しく描かれています。レンガ造りの重厚な門構えと手入れされた植栽、大きな窓のある三階建ての邸宅が印象的で、当時の中流〜上流階級の暮らしぶりを偲ばせる一枚です。 建物や庭の細部まで繊細に表現された写真に、水彩画のような淡い着色が施されており、全体にノスタルジックな雰囲気が漂います。カード裏面は未使用で、赤いインクで「POST CARD」や郵便料金に関する表記が印刷されており、英国製のアンティークカードに典型的なスタイルを備えています。また、左側には「G. Shadbolt, Publisher, 19 Shepherd’s Bush Road, W. Printed in Berlin」の印字があり、当時の絵葉書がしばしばドイツで印刷されていたという事実を反映しています。 状態も比較的良好で、焼けや大きな汚れも見られず、100年以上の時を経た紙物としては非常に美しい保存状態です。アンティーク・ヴィクトリアン時代の建築や英国の邸宅文化に興味のある方、また紙もの・絵葉書・コラージュ素材として活用したい方にもおすすめです。飾っても、背景素材として用いても、その静けさと優雅さが空間を引き立ててくれる一品です。

イギリスの名所、ウォリック城の中庭を写したアンティーク絵葉書です。発行元はコヴェントリーのJ.J. Wardで、シリーズNo.1028として「Sepia Photo Art Series」の一枚として制作されたものです。茶褐色のセピアトーンで表現された重厚な石造りの城壁とツタに覆われた建物の一部が、歴史的建築物としての威厳を感じさせます。空にはやわらかな雲が浮かび、どこか穏やかでノスタルジックな雰囲気を漂わせています。 ウォリック城は11世紀に築かれた要塞で、イングランドの歴史と深く結びついた建物として知られています。本カードはその中でも中庭の様子を描いたもので、城の外観を一望できる構図になっており、特に建築や歴史に関心のある方におすすめです。 裏面は未使用で、縦書きの住所記入欄と通信欄が左右に分かれた典型的な英国製カードの形式です。切手欄には「Inland ½d, Foreign 1d」と印刷があり、国内外への使用が考慮されていたことがわかります。全体的に経年による紙の黄ばみはありますが、アンティークらしい風合いとしてお楽しみいただける状態です。コレクションやコラージュ、ディスプレイ用としてもおすすめの一品です。

イギリス・サリー州の美しい田園風景をとらえた、ヴィンテージのポストカード「Thursley, Dye House Hill」です。セピア調で印刷された穏やかな坂道と古い石造りの家々は、静かで牧歌的な空気を今に伝えています。背後にはなだらかな丘陵が広がり、手前には小道とフェンス、家々に寄り添うように植えられた木々が写っており、まるでその場所を訪れたかのような没入感を与えてくれます。 宛名面には1900年代前半の消印と、繊細な筆跡で綴られたメッセージが残されており、当時の通信文化の一端が感じられる貴重な一枚となっています。使用されているハーフペニー切手と、「PRITH’S SERIES」の文字も時代を物語るディテールのひとつ。切手や筆跡、インクのかすれ具合など、すべてがアンティークの風格を備えており、コレクターズアイテムとしてはもちろん、ジャンクジャーナルやコラージュなどの素材としてもおすすめです。 全体的に良好な状態ですが、長年の保管による角の軽い擦れなどがございます。歴史と物語が詰まった一点物の紙ものをお探しの方に。

こちらは、1950年前後のアメリカで実際に使用されていたビジネス返信用カードと封筒のヴィンテージセットです。当時の消費社会と通信文化を象徴する資料的価値の高い紙ものアイテムで、複数の企業やクラブによる購読・保険申込・注文用に使われていました。 セットに含まれる封筒とカードは、赤・青・白のエアメール特有の縁取りデザインが施されており、視認性が高く当時のアメリカらしいダイナミックな印象を与えます。特に「Esquire（エスクァイア）」「Book-of-the-Month Club」「Capitol Record Club」といった大手企業による返信封筒が含まれており、それぞれの業種の特徴を反映したフォーマットや文言が見どころです。 保険会社「National Benefit Life Insurance Company」のカードは、個人情報を記入する申込書式で、当時の保険制度の運用方法や事務的様式を感じさせます。名前・住所・誕生日・体重・身長などを記入する仕様になっており、家庭で郵送手続きが完結できる実用性が考慮されていました。 これらのカードや封筒は、実際に企業活動の一環として機能していた紙媒体でありながら、現在では広告や郵便、デザイン史の観点からも注目されています。色合いやフォント、印刷様式に時代の空気感が濃縮されており、アメリカンヴィンテージを愛する方やエフェメラ・紙もの収集家にとって、極めて魅力的なコレクションアイテムとなります。 デコラティブなレースやアンティーク調の背景と合わせた展示にもよく映えるため、ディスプレイやコラージュ素材としても活用できる一品です。 サイズ 一番大きいハガキ 20×10.7cm 一番小さいハガキ 10.5×7.5cm

こちらは、1908年にスコットランドのカーカーディ（Kirkcaldy）から送られた、ユーモラスなスコットランド土産ポストカードです。表面には「Lang may yer lum reek（煙突から煙が長く上がりますように）」というスコットランドのことわざが書かれており、「あなたの家にずっと火がともって繁栄が続きますように」という願いが込められています。伝統衣装を着たスコットランド人の男性がウイスキーグラスを掲げて微笑む姿と、ボトルやグラス、アザミの花などスコットランドらしいモチーフが明るく描かれており、時代のユーモアと温かみを感じさせるデザインです。 裏面にはイギリス宛の宛名と手書きメッセージが記されており、消印には「1908年7月2日 KIRKCALDY」の文字が確認できます。切手にはエドワード7世の肖像が描かれており、当時の郵便文化の一端を今に伝える貴重な一枚です。 紙面の一部に経年によるうっすらとした変色やわずかな染みが見られますが、全体的には発色もよく、古き良き英国のユーモアと文化を味わえるコレクタブルな逸品です。スコットランドモチーフのアンティークやユーモアのあるヴィンテージポストカードをお探しの方におすすめの一枚です。

ポルトガル・マデイラ島の伝統的な「Bullock Car（牛車）」が描かれた、手彩色のヴィンテージポストカードです。赤い幌のついた装飾的な車体を2頭の牛が引く様子が生き生きと表現されており、前に立つ2人の男性の衣装や背景の白壁の建物からも、当時のマデイラの街並みや風俗が伝わってきます。静かな午後の光を思わせるトーンと丁寧な彩色により、どこか郷愁を誘う雰囲気が漂う一枚です。 裏面には「Union Postale Universelle / Madeira」と印字があり、宛名と通信欄が分かれた、クラシックなレイアウトの未使用品となっています。S14222という印字番号が入っており、当時のシリーズカードであった可能性もあります。 全体としては非常にしっかりした状態で、色の発色も美しく残っています。絵葉書としてはもちろん、旅や民俗、乗り物、ポルトガルに関連するコレクションにもぴったりの一点です。アンティーク雑貨のディスプレイや、額装してインテリアに取り入れるのもおすすめです。

こちらは、フランス語で「Joyeux Noël（メリークリスマス）」の文字が添えられた、1903年12月24日付のヴィンテージ・クリスマスポストカードです。モノクロ印刷ながら幻想的な世界観を湛えた一枚で、階段の前で寄り添う二人の天使のような少女たちが描かれており、その繊細な表情と柔らかなドレープの衣装からは、無垢で神秘的な雰囲気が漂います。背景のぼかしと降り注ぐ雪のような光の表現は、まるで夢の中の聖夜を映し出すかのような美しさです。 下部には「Gabrielle Bourguignon 24/12/03」とペンで署名があり、このカードが実際にクリスマス・イヴに書かれたものであることがわかります。フランス語の筆記体で丁寧に記された差出人の名は、当時の子どもか若い女性だったのではと想像させ、受け取った人への温かな思いが静かに伝わってきます。 裏面には「Carte postale（ポストカード）」と多言語で印刷されており、「Union Postale Universelle」の文字から、当時の国際郵便形式に則った正式な絵葉書であることがわかります。5サンチームのフランス切手には「PARIS」の消印が残っており、宛先はマルセイユ在住の「Madame J. Farad」へ送られたもので、都市間を越えて届いた愛情の記録が、100年以上を経た今もこの紙片に息づいています。 状態は非常に良好で、経年による多少の変色はあるものの、印刷の鮮明さや紙の質感、筆跡の保存具合などから見ても、大切に保管されていたことがうかがえます。 このカードは、天使モチーフやノエルカード、19世紀末から20世紀初頭のフランス文化に惹かれる方にとって、特別な存在感を放つアンティーク作品です。インテリアに飾っても、冬の空間に静謐でやさしい雰囲気を添える、まさに時代を超えた“心を贈る”美しい紙モノです。

こちらは、フランス製のヴィンテージ・ニューイヤーポストカードで、「Bonne Année（あけましておめでとう）」のメッセージが優美な書体で印刷された心温まる一枚です。写真には、笑顔の可憐な少女と忠実そうなコリー犬が一緒に写っており、木製の門や花々に囲まれた風景がまるで童話の挿絵のように広がっています。 モノクロ写真に手彩色を施した美しい着色技法が用いられ、少女のピンクのドレスや花冠、犬の柔らかな毛並みなどが丁寧に色づけされています。まるで絵画のような仕上がりは、当時の印刷技術と職人のこだわりを感じさせます。カード右下には「Fleurette 1706.」と銘が入り、シリーズ物の中の一枚であることがわかります。 裏面には「MADE IN FRANCE」の刻印と共に、フランス語で新年の挨拶「Merci de tes souhaits（ご挨拶ありがとう）」と記されており、差出人Eugénie Mongyから、受取人であるMademoiselle Charbonnier宛てに送られたことが確認できます。グリーンの5サンチーム切手も添付されており、カードが実際に投函されたことを示しています。 保存状態は非常に良く、角の傷みも少なく、印刷面・筆記面ともに明瞭です。愛らしい少女と犬のコンビネーション、心のこもった手書きのメッセージ、そして華やかな彩色が融合したこのカードは、紙ものコレクターやフランスアンティーク好きにとって理想的な一点です。 新年の温かな気持ちを100年以上も前のフランスから届けてくれる、小さな芸術品とも言える逸品です。インテリアとして額装して飾っても、その可憐さと品格で空間を彩ってくれることでしょう。

こちらは、イギリスのたばこメーカー「Godfrey Phillips Ltd.」によるコレクターズ・ドッグシリーズの一枚、「THE BEDLINGTON TERRIER（ベドリントン・テリア）」をテーマにしたヴィンテージ・ポストカードです。表面には、横顔のベドリントン・テリアが精緻に描かれており、その優雅で特徴的な曲線の頭部、柔らかくカールした被毛、そして穏やかなまなざしが美しいタッチで表現されています。ダークグリーンを背景に、犬の白銀のコートが上品に浮かび上がり、クラシカルで落ち着いた雰囲気を醸し出しています。 このカードは、「DE RESZKE」ブランドのシガレットパッケージに封入されていた全20種のシリーズのうちのNo.20にあたるもので、裏面にはその旨が丁寧に記載されています。下部には「This dog is a member of the Terrier group and is either a soft grey or liver colour. The coat is soft and curly.（この犬はテリア種に属し、被毛はソフトグレーまたはリバー色で、柔らかくカールしています）」との説明もあり、愛犬家や犬種愛好者にはたまらない情報が詰まった内容となっています。 ポストカード裏面のレイアウトは英国スタイルの定番である二分形式（左：通信欄／右：宛名欄）で、未使用の美しい保存状態です。右下のコーナーにわずかなダメージが見られますが、全体としては印刷の鮮明さ・紙の質感ともに良好で、長い年月を経たアンティーク品とは思えないほどのクオリティを保っています。 このカードは、犬をモチーフにした紙ものを収集されている方はもちろん、アンティークポストカード、英国喫煙文化史、犬種研究など多方面のコレクターや愛好者におすすめです。小さな紙のなかに、犬と人間の豊かな関係性と当時の文化が凝縮された、まさに「時代を超えて届いた愛らしい肖像画」のような一枚です。

こちらは「Easter Blessing（イースターの祝福）」と題されたアンティークのグリーティングカードで、20世紀初頭にドイツで印刷されたものです。表紙には美しく彩色されたクロスと春の花々が繊細に描かれており、復活祭の神聖な雰囲気を讃えながら、穏やかで希望に満ちた印象を与えます。 カードの中心には、バラのようなピンクの花と十字架がリースのようにあしらわれた図案が配置されており、宗教的なシンボルと春の息吹が見事に調和しています。十字架は木の枝を模した質感で描かれており、まるで自然そのものの力によって支えられているかのような有機的な表現が特徴です。 カードは二つ折りになっており、内側には「The Lord is risen!（主は甦られた！）」という賛美の言葉から始まる詩が美しい書体で印刷されています。復活祭の意義を詩的に表現しており、「地より天へ」「死から永遠の命へ」というテーマが明確に読み取れます。手書きで「Lulu REED」と署名されており、かつて誰かの想いを乗せて贈られたことがわかります。 裏面には「Printed in Germany」の文字が印字されており、当時の印刷技術の高さと、美術印刷物としての品質の良さを物語っています。エンボス加工も施されており、表紙のデザインが内側にも浮き出て見える繊細な造りになっています。 宗教的な美術品やイースター関連の紙ものをお探しの方には特におすすめの一枚です。インテリアのワンポイントや、季節のディスプレイ、またヴィンテージカードコレクションの一環としても最適な品です。静かで敬虔な雰囲気と、ドイツ製ならではの品格ある美しさを兼ね備えた、希少なアンティークカードです。

こちらは、愛らしい長毛猫が描かれたイギリス製のアンティーク・バースデーポストカードです。「EVERY GOOD BIRTHDAY WISH（すべての素晴らしい誕生日の願いを込めて）」という温かなメッセージとともに、見る者の心を和ませるような、もふもふの猫のイラストが特徴です。エンボス加工が施されたカード面は、イラストの立体感と手触りのある質感を引き立て、当時の贈り物文化の丁寧さが感じられます。 猫の足元には詩的なバースデー・メッセージが記されており、以下のように綴られています： If only I could just employ, Some Fairy’s help to bear my greeting, What store you’d have of Luck and Joy, With health your happiness completing. 妖精に願いを託して、受け取る人に「幸運と喜び、そして健康が満ちますように」と願う、美しく詩的な表現が、英国らしい感性を伝えています。 裏面には「This is a REAL HAND COLOURED CARD（本品は手彩色カードです）」と記されており、印刷技術だけでなく人の手による彩色が加えられていることが確認できます。切手は1ペニーの赤色エドワード8世期の英国切手で、消印からは1930年代の使用と推定されます。宛先は「Miss E. Head」宛で、トーキーのBabbacombe（ババカム）に送られた実逓品です。 カード左側にはパープルインクで丁寧に書かれた誕生日の挨拶文が残っており、「Hope you are having a lovely day」「Will write letter later」などの言葉から、贈り主が心を込めて送った思いが今も読み取れます。 保存状態は全体的に良好で、細かな角のスレや自然な経年感はあるものの、イラスト・筆跡・切手・消印すべてが明瞭に残されており、コレクターズアイテムとして非常に高い価値を持ちます。 猫好きの方、バースデーカードのコレクター、あるいはビクトリアン〜エドワーディアン時代の紙ものに興味のある方に特におすすめの、美しく温かみあるヴィンテージカードです。インテリアや贈り物としても映える、チャーミングな逸品です。

こちらはアメリカ・オハイオ州シンシナティにあるWalnut Hills High School（ウォールナットヒルズ高校）の古い絵葉書です。落ち着いた色調で彩色された建築の姿が美しく、遠景に描かれた校舎の全体像は壮麗で、古典主義建築の影響が感じられるドーム型の中央部と、左右対称に伸びるレンガ造りの翼棟が印象的です。緑に囲まれた丘の上に佇む様子は荘厳さと穏やかさを兼ね備え、長い歴史と地域に根ざした存在感を伝えています。 発行元はCincinnatiのRubel & Hill Book News Agency社。裏面の記載により、このポストカードはアメリカ製であり、当時1セント切手で郵送できたことがわかります。未使用で書き込みはなく、保存状態は良好です。画面に細かな凹凸加工が施されたリネン風の質感も、当時の絵葉書ならではの魅力を引き立てています。 Walnut Hills High Schoolは1908年創立の名門公立学校であり、このカードはその黎明期の姿を伝える貴重な資料です。アメリカ教育史、建築史、オハイオ州ローカル史などに関心のある方におすすめの一枚であり、またクラシック建築や教育機関をテーマにしたポストカードコレクションにもぴったりです。温かみのある色彩と印刷技法の味わいも相まって、額装やコラージュ素材としても魅力を放つヴィンテージアイテムです。

彩色された古いポストカード「Madeira, Funchal」は、ポルトガル領マデイラ諸島の中心都市フンシャルの街並みと山、そして大西洋に面した海岸線を美しく描いた一枚です。画面中央には赤茶色の屋根が並ぶ住宅街が広がり、左にはスリムなヤシの木が立ち、遠景にはなだらかな山が連なっています。空と海は淡い色彩で表現され、全体に柔らかなグラデーションが施された風景が、旅情と静謐さを感じさせます。 「Union Postale Universelle」と記された裏面は未使用で、ポルトガル語とフランス語による印字があり、書き込みスペースもたっぷり確保されています。厚手でしっかりとした紙質と、マットな手触りが特徴で、経年による微細な角の丸まりなどは見られるものの、保存状態は比較的良好です。印刷には光沢のある顔料が使われており、色褪せは控えめで、フンシャルの活気ある街並みが今も鮮やかに蘇ります。 旅先の記録やコレクション、額装にもぴったりな一枚。ヨーロッパの古き良き時代を伝える、風景絵葉書の魅力が詰まっています。

淡いグレー地に繊細な型押しが施された、ヴィンテージの誕生日ポストカードです。中央には「Wishes Sincere（心からの願いをこめて）」のメッセージが描かれた装飾的な書籍が開かれており、周囲には紫と黄色のパンジーの花が添えられています。本の中には雪に覆われたヨーロッパの村と教会の風景が描かれ、冬の静謐な空気と祝福の心が丁寧に表現されています。 宛名面には繊細な緑色の装飾罫と「Post Card」のロゴ、そして送り主であるHazelさんの手書きのメッセージが記されており、長い時を経て届いた親密な贈り物としての温かさを感じさせます。「Wishing you a happy birthday（お誕生日おめでとう）」のメッセージには、送り主の素朴で率直な想いがにじんでおり、現代のカードにはない手作りのような優しさがあります。 全体的に経年による色褪せや紙の角に若干の摩耗は見られるものの、ヴィンテージ特有の味わいと美しさをしっかりと保っています。アンティーク調の装飾やノスタルジックな雰囲気をお好みの方、古いグリーティングカードや海外絵葉書をコレクションされている方におすすめです。スクラップブッキングやコラージュ、額装してインテリアに取り入れても映える一枚です。