アンティーク　ポストカード　こどものカップル　二人でおはなし？　PCA2102

こちらは、1909年にフランスで投函されたヴィンテージ・フォトポストカードで、当時の子どもたちの生活風景を切り取ったような情緒あふれる一枚です。モノクロ写真には、コート姿の少女と、彼女に何かを語りかけている長髪の少年が写っており、まるで舞台のワンシーンを切り取ったかのような構図が印象的です。背景にはエレガントな室内装飾と絨毯が敷かれており、時代背景や空間の空気感まで細やかに伝わってきます。

写真の左下には「C.P. 8076」と番号が入っており、シリーズ物である可能性もあります。カード自体には手彩色が施されていないモノクロ印刷ですが、その分、人物の表情や衣装、しぐさのニュアンスがより繊細に際立っており、見る者の想像力をかき立てます。

裏面には、美しいフランス語の筆記体で綴られた手紙がびっしりと書かれており、差出人Blanche Didierから「Mlle Jeanne Charbonnier」宛てに送られたものであることが確認できます。宛先はリヨン市内の「Rue de la Guillotière」の住所で、受取人の両親が営む食料品店宛に届けられたことがわかります。右上には19世紀末～20世紀初頭に用いられた「Semeuse（種まく女性）」の10サンチーム切手が貼付され、消印には「5-12-09（1909年12月5日）」の日付が記されています。

このカードの魅力は、写実的な人物描写と温かな手書きメッセージの融合にあります。時代を超えて届いた1通のやりとりが、100年以上経った今も手元に残されていること自体が奇跡のようで、アンティークとしての価値だけでなく、ノスタルジーと人の心の温もりを感じさせてくれます。

フランスの紙もの、特にエドワード朝〜ベル・エポック期の子どもモチーフを愛する方にはぜひ手に取っていただきたい逸品です。額装して飾れば、まるで小さな物語がそこに息づいているような、静かで深い美しさを宿す一枚です。