ヴィンテージ　グリーティングカード　恐慌でもクリスマスだ！　素材　PCA2081

こちらはアメリカ製と思われる、ユニークで風刺の効いたヴィンテージ・クリスマスカードです。無地の裏面と対照的に、表面にはインパクトのあるイラストと詩が大胆に配置され、時代背景を反映した皮肉交じりのユーモアが際立っています。

カードの上部には、巨大な竜巻のように描かれた「DEPRESSION（恐慌）」という文字が渦を巻き、ガレージごと家財を巻き上げていく様子がコミカルかつシニカルに描かれています。その竜巻を見上げる人物は、手に手紙を持ちながら驚愕の表情を浮かべており、不運続きの自分の境遇を嘆いているようです。

下部には赤い文字で次のような韻を踏んだ詩が印刷されています：

“I lost the chicken from out the pot,
I lost the car and that’s a lot,
With Merry Xmas I you barrage,
’Cause, now I lost the damn garage.”

これは、時代的におそらく大恐慌期やその後の経済困窮期に作られたものと考えられ、物を失うことへのユーモアと皮肉を込めた一作です。「チキン」「車」「ガレージ」を次々と失い、それでも「メリークリスマスを浴びせる」という構成が、逆境の中の皮肉な祝福として強烈な印象を残します。

印刷は青と赤の2色刷りで、黄味がかった紙の質感と相まってレトロな雰囲気を演出しています。保存状態は概ね良好で、細かな角のスレはあるものの、ヴィンテージカードとしての魅力を損なうものではありません。

社会風刺や戦前〜戦後アメリカの文化を映すコレクティブルとして、またブラックユーモアの効いたアートピースとしても高い価値がある一枚です。ユーモアと時代感覚が詰まった、個性的なコレクションをお探しの方におすすめです。